北陸新幹線の新大阪延伸は実現する?

東京‐敦賀を結ぶ北陸新幹線は、敦賀から新大阪まで延伸されることになっています。本来、すでに敦賀‐新大阪間は着工しているはずでした。しかし、未だ工事は着工せず、ルートすら決まっていません。

北陸新幹線

 北陸新幹線は、東京から長野・金沢・福井を経て新大阪に至る全長約700kmの新幹線です。

 1997年に上越新幹線の高崎から分岐して、東京‐長野間が長野新幹線として開業しました。その後、2015年に長野‐金沢間が延伸開業し、北陸新幹線となりました。2024年に金沢‐敦賀間が延伸開業しました。

 敦賀から先、新大阪まで延伸することが決まっています。しかし、敦賀‐新大阪間は、工事の着工はおろか、まだルートすら正式に決まっていません。

北陸新幹線は整備新幹線

 北陸新幹線は整備新幹線の一つです。整備新幹線とは、全国新幹線整備法に基づいて計画された5つの新幹線です。

整備新幹線

①北海道新幹線(青森‐札幌)

②東北新幹線(盛岡‐青森)

③北陸新幹線(東京‐長野‐富山‐大阪)

④九州新幹線・鹿児島ルート(福岡‐鹿児島)

⑤九州新幹線・長崎ルート(福岡‐長崎)

 全線開業している整備新幹線は、②東北新幹線(盛岡‐新青森)と④九州新幹線(博多‐鹿児島中央)のみです。

50年前の計画に基づいて建設される整備新幹線

2022年9月に西九州新幹線の長崎-武雄温泉間が開業し、2023年度末に北陸新幹線の金沢-敦賀間が延伸開業します。さらに、北海道新幹線の新函館北斗-札幌間の延伸工事が進められています。これらは整備新幹線です。 西九州新幹 […]

整備新幹線の着工5条件

 整備新幹線は、全国新幹線整備法に基づいて計画・建設される新幹線です。JRが計画して建設する新幹線ではありません。

 鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)が建設し、建設費を国と沿線自治体が負担します。建設後の新幹線の運行は、JRがJRTTに線路や設備の使用料を支払って行います。

 整備新幹線を着工するには、法律で決まっているわけではありませんが、以下の5つの条件を満たすことが必要とされています。

整備新幹線の着工5条件

①安定的な財源見通しの確保

②収支採算性→営業主体であるJRの収支が改善されること

③費用を上回る投資効果→費用便益比が一定以上であること

④営業主体であるJRの同意

⑤並行在来線の経営分離についての沿線自治体の同意

 財源確保と沿線自治体の合意が、ポイントとなっています。

北陸新幹線の新大阪延伸の問題

 北陸新幹線の敦賀‐新大阪間のルートは、小浜京都ルートで建設されることになっています。敦賀から小浜市を通り、京都府の山間部を南下し京都駅から松井山手駅を経由し新大阪駅に至るルートです。

 敦賀駅‐京都駅間は、約123㎞で、全体の80%がトンネル区間です。京都市内は大深度地下トンネルを掘ることになっています。

 京都府の山間部のトンネル工事の土砂や景観の問題、京都市内の大深度地下トンネルによる地下水の問題から、沿線自治体の同意が得られていません。

再浮上する米原ルート

 小浜京都ルートでの新大阪延伸が見通せない中、米原ルートを推す声が石川県などから出始めました。先の参議院選挙でも、京都選挙区では争点の一つにもなりました。

 米原ルートは、敦賀から北陸本線の米原に至るルートです。米原駅で東海道新幹線に接続します。小浜京都ルートに比べて約50㎞建設距離が短く、トンネルも少ないので建設費が安くなります。

 しかし、米原駅で東海道新幹線に接続するといっても、東海道新幹線には乗入れはできません。したがって、乗換えることになります。また、建設距離は短いのですが、運行距離は小浜京都ルートより長くなります。したがって、時間がかかり、運賃も高くなります。

沿線自治体とJR西日本の意向は?

 沿線自治体と運行主体のJR西日本の意向は、どうなってるのでしょう?

福井県

 小浜京都ルート推しです。特に、小浜には原発があります。国のエネルギー政策に貢献してきたことから小浜京都ルートは譲れないでしょう。

京都府

 山間部のトンネルの土砂や景観の問題、京都市内の地下水の問題があり、小浜京都ルートには消極的です。

 北陸新幹線の新大阪間の延伸のメリットは、京都にないと思われます。なので、多額の建設費を出したくない京都府市からすると、現在の状況は、渡りに船なのかもしれません。

滋賀県

 小浜京都ルートの場合、滋賀県を通らりません。滋賀県が懸念してるのは、JR西日本が湖西線を並行在来線として経営分離すると言い出さないかです。

 北陸新幹線が新大阪まで延伸すると、サンダーバードは廃止されるでしょう。そうすると、湖西線は新快速が走ってるとはいえ、ローカル線の雰囲気が漂います。ただ、沿線自治体を新幹線が通らない‐新幹線の恩恵を受けない‐のに在来線を経営分離するのは、前例がないので、流石にムリかなとは思います。

 米原ルートに関しては、滋賀県にメリットはほぼありません。極めて消極的です。

JR西日本

 JR西日本は、小浜京都ルート推しです。米原ルートだと、米原‐新大阪間の乗客をJR東海に取られちゃいますからね。

 また、サンダーバードがなくなることを考えると、京都駅を経由しないルートは、JR西日本としては、飲めないのではないでしょうか。

ウルトラCはあるか?

 以上を踏まえると、現状、北陸新幹線の敦賀‐新大阪間の延伸は、ムリと言わざるを得ません。こんな条件を満たすウルトラCがあれば、着工に向けて動き出すかもしれませんね…

沿線自治体・JR西日本が合意できる条件

①京都市内の中心部は通らないけど、京都市内に駅は造る

②京都府の山間部を通らない

③滋賀県を経由しない

④東海道新幹線に接続・乗入れはしない

マドカ

こんな都合のいいルートある?

♪Mr.Children「DANCING SHOES」(アルバム:SOUNDTRACKS収録)

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