自民党と日本維新の会の連立が合意に達しました。自民党と維新の連立により副首都構想が現実化するかもしれません。関西に副首都をおくなら大阪より学研都市がいいんじゃない?という妄想です。
副首都構想とは?
日本維新の会が掲げる副首都構想とは、そもそもどんな構想なのでしょうか?
副首都構想は、東京一極集中の是正と地方分権を進めるための国家構造改革構想です。大阪がその中心と構想されています。維新がまとめた法案の骨子案の概要は、以下のとおりです。
副首都は大阪を前提
維新の法案の骨子案では、道府県は副首都に手を挙げれることになってます。しかし、特別区を設置することを条件にしています。ということは、事実上、大阪以外は副首都に手を挙げれないということです。
大阪市が廃止されて特別区が設置されると、政令指定都市である大阪市の大半の権限は大阪府に移譲されます。大阪が副首都になれば、東京から国会や行政機関の一部が移転するだけでなく、インフラ整備の計画実施の権限や財源も移譲されます。
ということは、副首都構想+都構想が実現すれば、大阪府知事は東京都知事と同等とまではいきませんが、近い権限を持つことになります。個人的には、維新の狙いはこれなんじゃないかと思っています。
副首都の条件
維新の法案の骨子案では、副首都の条件として以下の3つを挙げています。
副首都の条件
①大都市地域特別区設置法に基づく「特別区」が設置されていること
②経済活動が活発で東京圏に並ぶ規模を有していること
③首都直下地震など東京圏と同時被災の可能性が低いこと
災害リスクの低さも副首都の条件になってるんですが、東京と同時被災という観点で考えているようです。
南海トラフ地震で大阪は被災する
東京と同時被災の可能性は低いですが、大阪は南海トラフ地震で甚大な被害を被る可能性があります。
南海トラフ地震が発生した場合、大阪は震度6強の強い揺れと津波による被害が想定されています。液状化によって約9.4万〜11万棟の建物が沈下被害を受けると想定されています。さらに、人的被害としては、建物倒壊による約2,700人の死亡者、津波で約2,300人、火災で約4,700人の死者が想定されています。
南海トラフ地震は、いつ発生してもおかしくないと言われています。大阪が副首都になった場合、東京より先にバックアップ先の大阪が被災する可能性があります。
学研都市って良くない?
関西には、けいはんな学研都市(正式名称は関西文化学術研究都市)というのがあります。京都府、大阪府、奈良県の2府1県にまたがる京阪奈の緑豊かな丘陵地帯に建設されたサイエンスシティです。
1980年代から開発が進められています。バブル崩壊後も計画自体は中止になりませんでしたが、宅地開発の中止や企業の撤退などがありました。2010年代からは、再び企業の進出が進んでいます。
学研都市は、内陸にあるので、南海トラフ地震が発生しても津波による被害は受けません。そう、災害のリスクが低いんです。
副首都を平時の政治中枢のバックアップ機能+災害時の代替拠点と位置付けるならば、大阪よりも学研都市の方がいいんじゃない?
学研都市は、2府1県にまたがってるけど、ワシントンD.Cみたいに国の直轄地にするのもアリだと思うんですよねぇ~

国の直轄地にしちゃうと、憲法の問題(地方自治)が出てくるけど…
大阪との比較
| 評価項目 | 🏙 大阪(大阪市中心部) | 🏞 けいはんな学研都市(精華町・京田辺・生駒周辺) |
|---|---|---|
| 🌍 地理・災害リスク | 南海トラフ巨大地震による津波・液状化・インフラ破壊リスクが大きい。首都と同時被災の可能性も。 | 内陸部で津波リスクなし。災害リスクは相対的に低く、バックアップ拠点としての安定性が高い。 |
| 🏢 都市インフラ・規模 | インフラ・経済・行政機能が既に整っており、即時稼働が可能。 | 研究・教育都市としての基盤はあるが、官庁街・宿泊・交通整備の追加投資が必要。 |
| 🚆 アクセス性 | 新幹線・関空・伊丹・高速道路網が集中。国内外からのアクセスが非常に良い。 | 京都・奈良・大阪の中間で交通利便性はあるが、国際空港アクセスは弱い。インフラ拡充が前提。 |
| 🏛 政治・行政機能移転のしやすさ | 経済・メディアの集積もあり、政治中枢を置きやすい。 | 新たな官庁街整備が前提。コストと時間はかかるが、設計自由度は高い。 |
| 🧭 防災・バックアップ適性 | 首都と同時被災の可能性が高く、冗長性は低い。 | 災害分散・リスク低減の観点で非常に優位。バックアップ拠点に適す。 |
| 🧑🤝🧑 人口・経済基盤 | 大都市圏の人口・経済規模が大きく、即時機能移転に有利。 | 規模は小さいが、関西3都市圏と連携可能。 |
| 🧪 学術・研究機能 | 商業・観光の要素が強く、研究機能は点在。 | 情報通信・学術研究拠点が集中。サイバー防衛・通信にも強み。 |
| 🏗 拡張・再開発の柔軟性 | 既成市街地のため制約が多い。 | 計画都市で余地が大きく、理想的な官庁街・バックアップ都市の設計が可能。 |
| 🪙 コスト・実現性 | 既存インフラ活用で初期コストは抑えられるが、防災対策費が膨大。 | 初期投資は大きいが、防災・安全性・長期運用面では優位。 |
| 🛰 防衛インフラとの近接性 | 伊丹駐屯地・舞鶴基地などに近接し、即応性が高い。 | 同じ防衛圏内で大きな差はなし。やや距離はあるが運用上の差は軽微。 |
| 🪖 攻撃リスク・有事対応 | 大都市で攻撃対象になりやすく、混乱リスク大。 | 攻撃優先度が相対的に低く、避難・代替拠点として有利。 |
| 🔐 通信・防衛情報インフラ | 経済インフラが集中し攻撃リスクも大きい。 | NICTなど研究機関が集中し、防衛通信・バックアップ拠点に適す。 |
| 🏞 シンボル性・政治的インパクト | 副首都=大阪は世論認知度が高く、政治的支持も得やすい。 | 認知度は低いが、理想的副首都モデルとして構想インパクトが強い。 |
♪Mr.Children「東京」(アルバム:SUPERMARKET FANTASY収録)
