公用文作成の考え方②

「公用文作成の考え方」の内容が、文章作成全般に妥当する内容を含むので、紹介しようという記事です。

公用文作成の考え方

 「公用文作成の要領」が建議されたのが昭和26年のことです。その後、ようやく、時代の変化に併せて改訂すべく、令和3年に「新しい「公用文の作成の要領」に向けて」が報告されました。「公用文の作成の考え方」は、「新しい「公用文の作成の要領」に向けて」の内容を踏まえ、政府内で活用されることを目指し、取りまとめられたものです。

 このように、「公用文の作成の考え方」は、政府内で活用されることを目的としています。読んでみると、文章の作成全般に活用できるんじゃないか?と思われる内容を含んでいます。そこで、何回かに分けて、気が向いた時に、内容を紹介していきます。

表記の原則

 「現代仮名遣い」(昭和61年内閣告示第1号)による漢字とひらがなを交えた文章を基本とします。また、原則、左横書きにします。

漢字の使い方

 漢字は、「常用漢字表」(平成22年内閣告示第2号)に基づいて使用します。具体的な使用方法は、「公用文における漢字使用等について」(平成22年内閣訓令第1号)の「1漢字使用について」及び「3その他」に基づきます。

 送り仮名は、「送り仮名の付け方」(昭和 48 年内閣告示第2号)に基づきます。具体的には、公用文における漢字使用等について」(平成22年内閣訓令第1号)の「2送り仮名の付け方について」及び「3その他」に基づきます。

外来語の表記

 外来語は、「外来語の表記」(平成3年内閣告示第2号)に基づきます。「外来語の表記」の第1表によって日本語として広く使われている表記を用いるのが基本です。必要に応じて、必要に応じて第2表を用います。

 「外来語の表記」に記載のない表記は、原則、使いません。

数字

 横書きの文書では、算用数字を使います。大きな数字は、3桁ごとに、コンマで区切ります。全角半角は、文書で統一されていれば、どちらでもOKです。以上が基本ルールです。

数字の表記例

①令和7年4月13日午前10時25分

②8,900円

兆・億・万は漢数字を使う

数字の表記例

2兆600億50万円

概数は漢数字を使う

数字の表記例

①数十人

②五、六十人

語を構成する数・常用漢字表の訓による数え方は漢数字を使う

数字の表記例

①二者択一

②一つ、二つ

③一人、二人

④六法全書

縦書きは漢数字を使う

 縦書きで書かれた漢数字を横書きで引用する場合は、算用数字でOKです。

〇か月、〇か所

 横書きの場合は、1か月、2か月とか、1か所、2か所と書けばOKです。ただし、漢数字を使う場合は、一箇月、二箇月、一箇所、二箇所と書きます。

句読点

 句点は「。」を使います。読点は「、」を使います。読点は「,」を使ってもOKです。以前は、読点は「,」でした。その影響を受けて、弁護士が文書を書く際に、「,」を使うことがあります。

 「・」(ナカテン)は、並列する語、外来語や人名などの区切り、箇条書の冒頭等に使います。

括弧

 括弧は、()と「」を使うのが基本です。括弧の中に、さらに括弧を使ってもOKです。

 括弧の中で文が終わる場合には、句点を打ちます。

 文末にある括弧と句点の関係を使い分けます。文末に括弧がある場合、それが部分的な注釈の場合は、閉じた括弧の後に句点を打ちます。二つ以上の文、又は、文章全体の注釈であれば、最後の文と括弧の間に句点を打ちます。

 【】は、項目を示したり、強調すべき点を目立たせたりする際に、使用します。そのほかの括弧等はむやみに使いません。

♪Mr.Children「かぞえうた」(アルバム:[(an imitation) blood orange]収録)

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