第三者委員会の話し

最近、何かと話題の第三者委員会の話しをします。

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第三者委員会とは?

 企業が不祥事を起こした際に、ニュースなんかで、第三者委員会という言葉をよく聞きます。第三者委員会とは、そもそも何なんでしょうか?

 第三者委員会は、企業等の会計、労務、その他の不祥事が生じた際に、その原因・経緯等を調査するために、企業等が自主的に設置する委員会です。

 第三者委員会の構成員は、企業等からの嘱託委託により、弁護士・公認会計士等が就任します。委員である弁護士・公認会計士等は、企業等と利害関係のない第三者のみで構成されます。

内部調査委員会

 企業等の不祥事を調査するために、内部調査委員会を設置することがあります。内部調査委員会は、企業内部の役員・従業員を中心に、外部の弁護士等の有識者を加えて構成されます。

 企業内の人間中心に構成される内部調査委員会と異なり、企業等と利害関係のない第三者のみで構成されるのが、第三者委員会の一番の特徴です。

第三者委員会の費用・報酬

 第三者委員会の委員の報酬は、不祥事を起こした企業等が負担します。企業等が任意に設置するので、当然と言えば、当然です。報酬は、タイムチャージが基本です。

 第三者委員会を設置するというニュースに対して、SNS等のネット上では、会社が金出して雇ってるから信用できないという意見がみられます。

 そもそも、不祥事を起こした企業等のために、誰が金出すんだ?という話しです。誰も出さないでしょ。

 調査報告書は、公表の範囲は別として、公表されるので、必ず、ステークホルダーの目に留まります。調査報告書には、当然、第三者委員会の委員の名前が明記されています。明らかに、企業等に忖度した内容の調査報告だと、その委員である弁護士の今後の仕事に影響が…

第三者委員会ガイドライン

 第三者委員会の委員に、弁護士が就任することが多いからなのか?ビジネスチャンスと考えているからなのか?日弁連が第三者委員会ガイドラインを策定しています。

 最も、日弁連が勝手に作ったガイドラインなので、日弁連のガイドラインに従う義理も義務もありません。が、ちゃんと第三者委員会を設置すると、何となく、日弁連のガイドラインに従う感じになります。

 ということで、以下、ガイドラインのポイントをまとめておきます。

第三者委員会は誰のために仕事をするのか?

 弁護士の仕事は、通常、代理人として、報酬を支払うクライアントのために行います。しかし、第三者委員会は、不祥事を起こした企業等ではなく、すべてのステークホルダーのために仕事をします。

 したがって、ガイドラインは、第三者委員会は、すべてのステークホルダーに対して、説明責任を果たす目的で、設置する委員会だと位置づけています。

第三者委員会は何をするのか?

 第三者委員会は、説明責任を果たすために、不祥事等の事実の調査を行い、事実認定を行い、これを評価・分析し、再発防止等の提言を行います。

第三者委員会の独立性・中立性

 世間からは、少なからず、第三者委員会は、会社が金出して設置してるから信用できないと思われている節があります。したがって、第三者委員会の独立性と中立性をどのよう確保するのか?は重要です。

 ガイドラインでは、以下のように、第三者委員会の独立性・中立性を確保しようとしています。

①利害関係

 企業等と利害関係のある人は、第三者性委員会の委員になれません。

 顧問弁護士が利害関係者に当たるのは、当然です。

 過去に、スポットで、企業等の依頼を受けたことがある弁護士が利害関係者に当たるか?は、ケースバイケースとしています。最終的には、調査報告書に、委員の利害関係についても記載した上で、ステークホルダーの評価に委ねろとなっています。

起案権の専権

 調査報告書の起案は、第三者委員会の専権です。第三者委員会以外の者に、起案させるなということです。

事前非開示

 調査報告書の内容を企業等に事前に開示することを禁止しています。

不利な事実も記載する

 当然と言えば、当然ですが、調査の結果、判明した事実・評価が、現経営陣にとって不利な内容であっても、調査報告書に記載しなければなりません。

第三者委員会の委員の適格性

 第三者委員会の委員は、企業等と利害関係のない人でなければなりません。

 さらに、当該事案に関連する法令に精通していて、内部統制・ガバナンス・コンプライアンス等の企業組織論に精通している必要があります。

 また、事実の調査を行うことになるので、事情聴取能力・証拠評価能力・事実認定能力等に優れていることも必要です。

♪Mr.Children「ランニングハイ」(アルバム:I ♥ U収録)

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