久々に小説を紹介する回です。伊坂幸太郎「ペッパーズ・ゴースト」です。
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ペッパーズ・ゴースト
伊坂幸太郎の「ペッパーズ・ゴースト」(朝日文庫)を紹介します。
軽妙な会話、ちょっとした超能力・特殊能力、壇の話しとロシアブル・アメショーの小説の2つの物語が交錯するといった伊坂幸太郎の特徴を全部詰め込んだと言っても過言ではない小説です。
主な登場人物
壇 千郷:本作の主人公、中学校の国語教師、「先行上映」という特殊能力を持つ
布藤鞠子:中学生、自作小説を執筆中
里見大地:中学生
里見八賢:大地の父親、内閣情報調査室に勤務
ロシアブル:ネコジゴハンター、危機的な心配性
アメショー:ネコジゴハンター、極めて楽観的
成海彪子:サークルのメンバー
あらすじ
本作の主人公・壇千郷は、ごく普通の中学校の国語教師。だが、壇は、「先行上映」と呼んでいる特殊能力を持っている。ある他人の飛沫に感染すると、その人の未来を夢で見ることができるという能力だ。
壇は、布藤鞠子から自身が執筆した小説を読んで欲しいと渡される。その小説は、ネコを虐待しネット上に映像をアップする猫ゴロシの視聴者・支援者のネコジゴに復讐をするロシアブル・アメショーの2人組が登場する話しだった。
ある日、壇は、「先行上映」で教え子の里見大地が乗る新幹線が爆発するのを見る。里見に電話した壇は、何とか、予定を変更さそうと試みる。父親の八賢に話したところ、念のためと予定を変更したため、大地は無事だった。そのことがきっかけで、壇は、里見八賢と会うことになる。
壇は、八賢が内閣情報調査室に勤務していることを知り、新幹線の爆発事件に自分が関与していると疑われているのではないか?と思い、「先行上映」のことを話す。
後日、八賢と会う約束をしていた壇だが、八賢から連絡はなく、会えずじまいだった。そんな時、未登録の番号から電話があり、成海たちサークルのメンバーと会うことになった。
サークルは、ある立てこもり事件の被害者遺族の集まりだった。「先行上映」で、八賢がサークルのメンバーに監禁されていることを知っていた壇は、サークルのメンバーに探りを入れる。しかし、そのことが、メンバーにバレて、壇も監禁されてします。
監禁されている壇の元に、「ハラショー、アメショー、松尾芭蕉」と布藤鞠子の小説の登場人物、ロシアブルとアメショーが現れる。
八賢を監禁したサークルの目的は?なぜ、小説の登場人物のロシアブル・アメショーが壇の目の前に現れたのか?「先行上映」で他人の未来が見える壇は、その未来を変えることができるのか?
♪Mr.Children「過去と未来と交信する男」(アルバム:[(an imitation) blood orange]収録)