誰が使うねん！？-（ICOCAでGO）JR西日本無限大パス-

JR西日本が普通列車に30日間も乗り放題になるパスを発売しています。神切符と思いきや…

（ICOCAでGO）JR西日本無限大パス

　JR西日本が、管内のICOCAエリア内の普通列車に、30日間乗り放題となる「（ICOCAでGO）JR西日本無限大パス」を2025年3月12日まで発売しています。

　「ICOCAでGO」という名前のとおり、このパスを購入すると、ICOCAが、30日間乗り放題パスになります。青春18きっぷが、最長5日間有効なので、1か月乗り放題なんて、とんでもない神切符が出てきたんじゃないかと、一瞬、思いました。しかし、誰が買うねん！？的な切符なんだと思います。

無限大パスの内容

　（ICOCAでGO）JR西日本無限大パスが、どういう切符なのか？を見てみましょう。

①発売期間・利用期間・有効期間

　以下のとおり、もう発売されていて、使うことができます。

　有効期間は、連続する30日間です。利用期間は4月10日までなので、フルに使うには、3月12日までに買っておかないとダメです。

対象エリア

　無限大パスの対象エリアは、JR西日本のICOCAが利用できる区間です。ICOCAが使える区間は、意外に広くて、北は敦賀、東は米原、西は下関、南は新宮まで対象エリアです。

　ただし、JR西日本のICOCAが利用できる区間外に出ることはできません。なので、七尾線・城端線は対象外になっています。

乗れる列車

　無限大パスで乗れるのは、普通列車の自由席です。普通列車とは、乗車券以外に急行券・特急券が要らない列車です。なので、快速や新快速も普通列車なので、乗車可能です。

　青春18きっぷと違い、特急券を買えば、特急列車にも乗車できます。ただし、新幹線には乗れません。

販売方法・価格

　KANSAI MaaSというアプリから購入できます。みどりの窓口・券売機では買えません。決済は、クレジットカードのみです。

　気になる価格は、50,240円です。

えっ？お金払うの？？

　通常、乗り放題パスって、最初にお金を払えば、紙の切符だったり、QRコードだったり、アプリに表示されたりして、改札を通りますよね。要するに、1度お金を払えばOKなんです。

　ところが、無限大パスは、50,240円でパスを買った後、利用する分を毎回、ICOCAにチャージする必要があります。何を言ってるのか、わからないですよね。最初、説明を読んだときも、うん？と引っかかりました。でも、どう読んでも、そうとしか読めません。

いったん、立替える

　50,240円払ったにもかかわらず、無限大パスを使って、移動するには、いったん、目的の駅までの運賃をICOCAにチャージして、支払う必要があります。つまり、立替えることになります。

翌月、ポイントで戻ってくる

　だったら、パスを買った意味がないんじゃないかと思いますが、翌月に利用分がポイントで戻ってきます。ただし、戻ってくるポイントは、WESTERポイント（チャージ専用）です。

　WESTERポイント（チャージ専用）は、名前のとおり、ICOCAにチャージするしか使いようのないWESTERポイントです。

100,480円必要？

　乗り放題パスだからって、元を取る必要はないんでしょうが、元を取るには、事前に、100,480円が必要となります。

誰が買うの？

　他にも、ICOCAは200㎞超えると使えないとかいう仕様もあるんですが、一番の問題は、50,240円払った上で、さらに、お金を払わないといけないことです。

　JR西日本は、京都-三ノ宮を30日間毎日、往復すると、66,600円になるからトクするぞ！と言ってます。なるほど、通勤需要を拾えるんだ！とはならないですよね。だって、京都-三ノ宮間の1か月通勤定期代は、31,880円です。普通に定期買った方が、安いし。

　JR西日本は、誰が買うことを想定して、発売してるんでしょうか？もしかして、30日間乗り放題パスが50,240円ってとこにしか目がいかない人が、うっかり買っちゃうのを期待してるわけないよね…

♪Mr.Children「Hallelujah」（アルバム：Q収録）