新橋-横浜は53分で5,000円！？鉄道開業時の所要時間と料金

国立公文書館に所蔵されている鉄道開業時の新橋-横浜間の時刻表と料金表を見てみました。

汽車運転時限并賃金表上達

　1872年10月14日（明治5年9月12日）に、新橋-横浜間に日本初に鉄道が開業しました。

　国立公文書館のWebページで「汽車運転時限并賃金表上達」を閲覧できます。「汽車運転時限并賃金表上達」は、鉄道開業に際し、工部省から太政官に提出された文書です。時刻表と料金が記載されています。

　個人的に、気になったので、「汽車運転時限并賃金表上達」を見てみようと思います。

新橋-横浜間は53分

　「汽車運転時限并賃金表上達」の時刻表を見ると、上下線とも午前8時の始発から毎時0分に1本ずつ運行されていました。終電は午後6時でした。つまり、1日9本、上下線で18本しか運行されていませんでした。

新橋	毎時0分
品川	毎時8分
川崎	毎時26分
鶴見	毎時34分
神奈川	毎時45分
横浜	毎時53分

　これが当時の下り線の時刻表です。ある意味パターンダイヤになってました。新橋-横浜間の所要時間は53分でした。

　現在、新橋-横浜間は、約26分くらいですよね。当時は、現在の倍以上の時間がかかっていたわけです。

新橋-横浜間は5,000円？

　新橋から各駅への料金は、以下のとおりです。

	上等	中等	下等
品川	18銭75	12銭5	6銭25
川崎	56銭25	37銭5	18銭75
鶴見	75銭	50銭	25銭
神奈川	93銭75	62銭5	31銭25
横浜	1円12銭5	75銭	37銭5

　昔の鉄道は、一等車、二等車、三等車が存在していました。上等・中等・下等は、一等車・二等車・三等車のことなんだと思います。

　現在の普通車が三等車、グリーン車が二等車に相当します。現在、一等車に相当する列車は、定期運行されてません。JR九州のななつ星やJR西日本のTWILIGHT EXPRESS瑞風なんかが、一等車に相当します。

現在の貨幣価値に直してみよう

　新橋-横浜間が下等で37銭5でした…といっても、ピンときませんよね？ということで、現在の貨幣価値に換算してみようと思います。貨幣価値を換算するには、消費者物価指数か企業物価指数を調べて…そうだ、AIに聞いてみよう！

	上等	中等	下等
品川	18銭75 （2,500円）	12銭5 （1,667円）	6銭25 （833円）
川崎	56銭25 （7,500円）	37銭5 （5,000円）	18銭75 （2,500円）
鶴見	75銭 （10,000円）	50銭 （6,667円）	25銭 （3,333円）
神奈川	93銭75 （12,500円）	62銭5 （8,333円）	31銭25 （4,167円）
横浜	1円12銭5 （15,000円）	75銭 （10,000円）	37銭5 （5,000円）

　ChatGPTによると、（）内が現在の貨幣価値に換算した料金です。港区のWebページに、新橋‐横浜間を現在の貨幣価値に換算した料金が載っていて、それを元に換算したらしいです。

　港区のWebページが2022年に書かれた記事なので、現在の物価は、もう少し上がってるはずです。

現在の料金と比較したら、めっちゃ安い…

　2026年3月14日以降、新橋‐横浜間の普通運賃は528円になります。

　ということは、37銭5（0.375円）と528円が等価値なわけです。0.375円が現在の528円だとすると、1,408倍すれば、現在の貨幣価値に換算できるんじゃないかと思いました。ということで、この計算もChatGPTにやってもらいました。

	上等	中等	下等
品川	18銭75 （359円）	12銭5 （176円）	6銭25 （120円）
川崎	56銭25 （824円）	37銭5 （528円）	18銭75 （359円）
鶴見	75銭 （1,056円）	50銭 （704円）	25銭 （352円）
神奈川	93銭75 （1,415円）	62銭5 （880円）	31銭25 （472円）
横浜	1円12銭5 （1,584円）	75銭 （1,056円）	37銭5 （528円）

　やっぱ、購買力（物価・賃金）ベースの等価で考えないと、ダメっぽいな…もしかして、鉄道の運賃って物価上昇に比べて、全然上がってないということなのかな？

♪BUMP OF CHICKEN「銀河鉄道」（アルバム：present from you収録）