国旗損壊罪について考える

国旗損壊罪が今国会で成立しそうです。ということで、国旗損壊罪について考えてみることにします。

国旗損壊罪

 国旗損壊罪の法律要綱案が自民党内で了承されました。国民民主党と修正協議を行うようですが、どうも今国会で成立しそうな感じです。

 自民党が了承した法律要綱案は、報道によると、以下のような内容です。

一 定義(第1条関係)

 この法律において「国旗」とは、国旗及び国歌に関する法律に定める国旗として用いられていると社会通念上認められる有体物をいう。

二 罰則等(第2条関係)

 1 人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者は、2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処する。

 2 1の者を除くほか、1の方法により国旗を損壊し、除去し、又は汚損し、その状況を撮影した者が、その撮影した映像を記録した電磁的記録(略)その他の記録を不特定もしくは多数の者に提供し、又は公然と陳列したときも、1と同様とする。

 3 1の方法に該当するかどうかの判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとする。

三 適用上の注意(第3条関係)

 この法律の適用に当たっては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。

マドカ

以下、法律要綱案について、もう少し詳しく見てみることにします。

国旗とは?

 国旗損壊罪の客体は国旗です。国旗とは、国旗及び国歌に関する法律で規定している国旗だと社会通念上認められる物です。ちなみに、国旗及び国歌に関する法律が規定している国旗は、以下のとおりです。

国旗及び国歌に関する法律別表第一

国旗に当たらないもの

 条文上、「有体物」だと規定しています。したがって、有体物ではないデータは、国旗には該当しません。データ上、日の丸をどうしようが、国旗損壊罪には該当しません。

 イラストについても国旗に該当しないと説明されています。日の丸がプリントされた服とか扇子なども対象外です。あと、お子様ランチについてくる小さな日の丸も国旗ではないと説明されています。

こっそりやったら処罰されない?

 国旗損壊罪として処罰されるのは、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊」する行為です。

 表現の自由との関係で、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」っていうのが問題になりそうですが、ここでは立ち入りません。

 国旗損壊罪が成立するには、「公然と」国旗を損壊する必然があります。つまり、誰もいない自分の部屋で、こっそ国旗を損壊しても処罰されません。

 自分の部屋でこっそり国旗を損壊してから、損壊した国旗を街頭で掲げても、国旗損壊罪は成立しません。たとえ、損壊した国旗を掲げることが、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させる」ことになってもです。

マドカ

でも、国旗損壊罪を創りたい人は、こういうのを規制したいんだよね…

動画を撮ってアップロードしたら処罰される

 自分の部屋でこっそり国旗を損壊しても処罰されません。が、その様子を動画に撮影してSNSにアップしたり、配信したりすると、処罰されます。

仲間と一緒に国旗を損壊したら処罰される

 何度も書いてますが、自分の部屋でこっそり国旗を損壊しても国旗損壊罪に当たりません。その後、損壊した国旗を掲げて街頭デモなどを行っても国旗損壊罪に当たりません。

 ただ、デモの前に、仲間内で国旗を損壊しちゃうと、「公然と」国旗を損壊したことになります。つまり、その態様が、「人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」であれば、国旗損壊罪が成立します。

マドカ

公然性とは、不特定又は多数という意味です。

 公然性の要件を欠くには、特定・少数であることが必要です。

最高裁まで争われるのが確定している…

 国旗損壊罪の法案が今国会で成立したして、実際に起訴されるケースは出てくるんでしょうか?というのも、国旗損壊罪は、表現の自由を侵害するのではないか?ということが問題になっています。なので、おそらく起訴されれば、法律の合憲性が争われることになります。ということは、最高裁まで争われるのが、ほぼ確定しているわけです。検察官も起訴しにくいんじゃないかな?

♪BUMP OF CHICKEN「メロディーフラッグ」(アルバム:jupiter収録)

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