地震や豪雨など自然災害による被害が多い日本。自然災害によって住宅が損壊した場合、公的支援等で住宅を再建できるのでしょうか?
自然災害後の住宅の再建
地震や豪雨などの大規模な自然災害が発生した場合、甚大な被害が生じます。災害後に考えなければいけないのが、住宅の再建です。
大規模な自然災害が発生した場合、様々な公的支援等があります。公的支援等のみで住宅を再建することはできるのでしょうか?

今回は、自然災害後の住まい再建について話しをします。
自然災害後の住まい再建のロードマップ
地震や台風などの自然災害によって住宅が損壊した場合、住まいをどう再建するか?は、持家の場合は、3つの選択肢があります。

災害直後の住まいをどうする?
住まいの再建の前に、まず、災害直後の住まいをどうするか?を決める必要があります。選択肢は、基本的に、①応急修理制度を使うか、②応急仮設住宅に入居するかの2つになります。
応急修理制度
自宅を修理して住み続けるための制度です。準半壊以上の罹災証明をもらった世帯が対象です。

全壊世帯も対象になる場合があります。
屋根、壁、窓、台所、トイレといった日常生活に必要不可欠な部分が修理対象です。支給額は、半壊以上の世帯が75.7万円、準半壊世帯が36.7万円です。
修理業者に修理代金を支払った場合は、応急修理制度を利用できません。業者に修理を依頼する前、修理代金を支払う前に、自治体に相談する必要があります。

修理完了後は、仮設住宅、公費解体を利用できない運用なので注意が必要です。
応急仮設住宅
居住できる家がなく、自分の資力で住宅を確保できない人が対象です。原則、最長2年間、仮設住宅に入居できます。家賃は無料ですが、光熱費は自己負担です。

半壊、二次災害の危険がある、ライフラインが断絶している場合など入居できる場合があるので、自治体に相談してみましょう。
被災者生活再建支援金
避難所を出て、とりあえずの住まいが落ち着いたら、住まいの再建を考えることになります。住まいの再建にあたって、支援金がどのくらいもらえるのか?を確認しましょう。
罹災証明の被害認定の区分に応じて、被災者生活再建支援金が支給されます。①基礎支援金と②加算支援金が支給されます。
| 基礎支援金 | 加算支援金 | |
| 全壊世帯 解体世帯 長期避難世帯 | 100万円 | 建設・購入:200万円 修理:100万円 賃貸:50万円 |
大規模半壊世帯 | 50万円 | 建設・購入:200万円 修理:100万円 賃貸:50万円 |
中規模半壊世帯 | 建設・購入:100万円 修理:50万円 賃貸:25万円 |

一人世帯の場合、上記金額の4分の3が支給されます。

全壊の場合で最高300万円しかもらえないんだ!
公費解体は重要
上記の表の解体世帯とは、半壊以上で被災建物を全て解体した世帯です。
公費解体とは、被災した家屋を所有者に代わって自治体が解体することをいいます。半壊以上の世帯が住家を公費解体してもらえれば、全壊と同額の被災者生活再建支援金が支給されることになります。
公費解体は、入札事務の関係で解体に着手するまでに時間がかかります。さらに、家屋の損壊が激しく危険なものから解体に着手するので、解体までに時間がかかることがあります。
火災保険・地震保険
持家の場合、住まいの再建の選択肢は、以下の3つです。
修理するにしても、建て替えるにしても、被災者生活再建支援金だけでは、資金が足りません。したがって、火災保険・地震保険に加入して備えておくことが必要です。
火災保険
火災保険は、建物、家財等を対象とする保険です。火災、落雷、爆発、風災等の災害による損害を補償します。
水害については、通常の火災保険では補償されません。水害について補償を受けるには、特約を付けるか、住宅総合保険に加入する必要があります。
地震保険
地震保険は、地震、津波、噴火を原因とする損害を補償する保険です。地震による損害は、火災保険では補償されません。そのため、地震保険に加入して地震による被害に備える必要があります。
地震保険は単体で加入できず、火災保険とセットで加入する必要があります。
地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲で設定します。ただし、建物の上限は5000万円です。火災保険の保険金額が5000万円の場合、地震保険の保険金額は1500万円~2500万円です。

保険金額は、保険金が支払われる上限額のことです。
保険金は時価が支払われる
保険金額は、保険金の上限です。実際に支払われる保険金は、建物の時価が原則です。
例
自宅購入時に、保険金額5000万円の火災保険に加入
火災発生時の建物の時価は2000万円
火災により建物が全焼した
上記の例だと、支払われる保険金は2000万円です。

最近の火災保険は、時価ではなく、被害を受けた建物と同等・同質の建物を再築できる新価特約を付けることが多いです。
災害復興住宅融資
被災者生活再建支援金や火災保険・地震保険などの自己資金のみで資金を賄えない場合は、融資を受けることになります。
自宅を建設・購入する場合は、住宅金融支援機構が、災害復興住宅融資を取り扱っています。
半壊以上の罹災証明をもらった人が融資対象です。融資額は土地を購入しない場合は4500万円が上限です。金利は全期間固定金利です。返済期間は35年です。
融資を受けるのが満60歳以上の場合は、毎月の返済は利息のみで、借入金の返済は、申込者が亡くなった際に一括で支払うか、融資対象不動産を売却して支払います。融資対象不動産を売却して支払う場合、売却代金が残債務を下回っても、相続人に請求されることはありません。

高齢者向け返済特例は、一種のリバース・モーゲージになっているんだ。
♪ウカスカジー「My Home」(アルバム:AMIGO収録)
