交通事故の入通院慰謝料の端数はどう計算する?

交通事故でケガをした際の慰謝料の算定時に端数をどう計算するのか?を取上げます。

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交通事故の入通院慰謝料は期間で計算する

 交通事故でケガをした場合、通常は、加害者に対して損害賠償として慰謝料を請求できます。

 慰謝料は、精神的苦痛に対する損害です。交通事故によって、どのくらい精神的苦痛を受けたか?なんか裁判官がわかるわけがありません。なので、入通院の期間に応じて、慰謝料を算定することになっています。

 3か月入院して、退院後に6カ月通院したケースと入院せずに、3か月通院したケースだと、前者の方が精神的苦痛は大きいだろうと判断するわけです。

 ちなみに、交通事故以外の労災事故とかの慰謝料も同様に入通院期間をもとに算定します。

マドカ

被害者に精神的苦痛の程度を証明しろ!っていうのも無理ゲーですしね…

入通院慰謝料は基準がある

 入通院慰謝料の金額は、最終的には裁判官に委ねられています。ただ、裁判官によって金額に差がありすぎるのもよくないですよね。ということで、基準が設けられています。

 基準として有名なのが、赤本基準と青本基準です。

赤本基準

 赤本は、「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」という日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している本です。表紙が赤いので、赤本と呼ばれています。

 赤本は、主として、東京地裁の基準を掲載しています。

青本

 青本は、「交通事故損害額算定基準」という日弁連交通事故相談センター本部が発行している本です。表紙が青いので、青本と呼ばれています。

 青本は、全国の裁判例や実務を踏まえた基準を掲載しています。なので、青本は、地域の実情に応じて金額が異なるので、○○万円~○○万円などと幅のある基準になっています。

マドカ

青本の上限の80%くらいが赤本の基準とされています。

緑本や黄色本もある

 大阪地裁や名古屋地裁は、赤本・青本と異なる独自の基準を用いています。それぞれ、基準が掲載されている本の表紙から「緑本」、「黄色本」と呼ばれています。

マドカ

交通事故だけに信号機の色みたい

マドカ

大阪地裁の基準が掲載されている「緑本」です。

端数はどう計算する?

 入院1か月・通院2か月の場合、緑本の大阪地裁基準だと慰謝料は、99万円です。

 ただし、入院期間にしろ、通院期間にしろ、1か月きっちりというケースは、ほぼないはずです。たとえば、入院58日・通院87日の場合、入通院慰謝料は、どう計算するのでしょうか?

入院1か月入院2か月
通院2か月99万円141万円
通院3か月119万円159万円

 入院1か月・通院2か月の99万円よりは多くなることは間違いないです。入院2か月・通院3か月の159万円より少なくなることも間違いありません。

 じゃぁ、入院2か月・通院2か月の141万円より多いの?具体的な金額は?となってしまいます…

 端数月の計算は、按分計算して足すのが正解とされています。

①入院期間・通院期間を月数に変換

 まず、入院58日・通院87日を月数に変換します。

月数に変換する

①入院58日:58日÷30.5=1.90か月

②通院87日:87日÷30.5=2.85か月

②それぞれの比率を計算する

 入院期間・通院期間を月数に変換したら、それぞれの比率を計算します。

入院期間の比率

①入院1か月の比率:2-1.90=0,10

②入院2か月の比率:1.90-1=0.90

通院期間の比率

③通院2か月:3-2.85=0.185

④通院3か月:2.85-2=0.85

4つのマスを「入院比 × 通院比」で重み付けする

 最後に、上記の表の4つの入通院慰謝料のマスの慰謝料額に、それぞれ入院比×通院比で重み付けします。

入院比×通院比で重み付け

①入院1か月・通院2か月:99万円×0.10×0.15=1.485万円

②入院1か月・通院3か月:119万円×0,10×0.85=10.115万円

③入院2か月・通院2か月:141万円×0.90×0.15=19.035万円

④入院2か月・通院3か月:159万円×0.90×0.85=121.635万円

 ①入院1か月・通院2か月の「99万円×0.10×0.15=1.485万円」は、入院1か月・通院2か月の99万円の影響をどれだけ受けるか?を計算しています。

 入院は1.90か月なので、ほぼ2か月です。なので、入院1か月の影響は0.1しか受けません。通院は2.85か月なので、ほぼ3か月です。なので、通院2か月の影響は0.15しか受けません。

 ということを、4つのマスそれぞれでやっています。

最後に合計する

 最後に、入院比×通院比で重み付けして計算した金額を合計します。

慰謝料の金額

慰謝料額=1.485万円+10.115万円+19.035万円+121.635万円=152.27万円

 入院58日・通院87日の入通院慰謝料は、152万2,700円ということです。

マドカ

これで、慰謝料の端数計算はバッチリ!

いちいち計算してられない

 ただ、毎回、こんな計算してられないということで、入院開始日・終了日、通院開始日・終了日、実通院日数を入力したら自動的に慰謝料を計算してくれるエクセルのシートをAIで作りました。

 通常の慰謝料、重症の慰謝料、むち打ちなど3分の2になる場合の慰謝料を計算できます。通院期間については、通院期間と実通院日数×3.5の少ない方を自動的に採用するようになっています。

♪Mr.Children「Heavenly kiss」(アルバム:B-SIDE収録)

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